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第6条 眼あり眼なし

攻め合いとは、生きのないもの同士が相手の石を取って生きようと争うもの。それなのに、眼がどうとかいうのは変な感じがしますが、攻め合いにおいても、眼があることは、攻め合いに有利に働くため、非常に重要な要素の一つです。もちろん、それは一眼の話で、二眼の話ではありません。二眼は生きで攻め合いになりませんから。

囲碁の格言に 「眼あり眼なしは唐の攻め合い」というものがあるくらいですから、眼を作ると攻め合いが有利になるということ自体は、知っている人は、たくさんいると思います。ところが、何がどう有利になるかまで理解している人は、どうでしょうか。(恥ずかしながら、僕は、最近、知りました。^^; ) というのは、心当たりがある人も多いと思いますが、何が有利になるかまで、はっきり分かってないと、この知識、全然、実戦で役に立たないんですよね。まったく。。。

ここでも、例題をもとに考えていきましょう。

【 例題1 】 黒先で、この攻め合いに勝って下さい。
例題1

最初の時点で、ただ単純に、手数をそれぞれ数えれば、黒の手数は4。それに対し、白の手数は5。一見、白、有利のようにも見えますが・・・。

例題1の解答

黒が一眼を作った後、白が外ダメを詰めた、上の図の下辺図、白8までの形は、確かに、黒の手数は3に対し、白の手数は5でした。ところが、その後、白は、白10から白12と自殺手になる内ダメを詰めざるを得なくなって、黒が勝ちになってしまいました。なぜ、こんなことになるのでしょうか。

眼を持つということは、その形が取られるまでに、最後でないと打てない一点の着手禁止点(もちろん眼のこと)を生み出します。その最後という点がポイントです。
 上の図の下辺図で言えば、白10の時、もし、H1と打ってダメを詰めることが出来るのなら、その後、黒は、外ダメを一つ詰めても、黒の手数2に対し、白の手数4となり、白は、勝てます。しかし、それはルール上、許されていない行為。よって、白は、内ダメ以外のダメを残しつつ、不本意ながら、内ダメを詰ざるを得なかった。そのため、この攻め合いは、黒の勝ちになったのです。

また、このことは、このように言い換えることも出来ます。

眼のある石と眼のない石との攻め合いでは、内ダメの数が眼のある石のほうに、一方的に味方する。

ちなみに、白8までの形は、白の手数は、5手に見えましたが、そのうち、内ダメが2つ。これは、白の手数に数えることは出来ないと解釈できるため、実質、白8までの形は、黒の手数、3に対し、白の手数も3だったわけ。次は、黒の手番ですから、一眼を作った後、黒が攻め合いに勝てたのは、当然のことなのです。

なお、ちょっと忘れていたことがあったので、もう一つ図を作りました。

補足図

あと、この眼あり眼なしを完全に身に付けられたかどうか確認するために、もう一問例題を。これが解けるなら、眼あり眼なしの基本は、マスターしたといっていいでしょう。

【 例題2 】 黒先で、この攻め合いに勝って下さい。
例題2

解答です。

例題2の解答

続きです。

例題2の解答2

もう一つ。

例題2の解答3

最後に、ちょっと思ったことを。
 「 眼あり眼なしは唐の攻め合い 」という格言の‘’唐‘’とは、昔の中国のことのようです。つまり、この格言は直訳すると、眼あり眼なしになると、中国のような攻め合いになってしまう(昔は、日本が強くて中国は弱かった。)という意味。ですから、この格言、中国の人に対して、非常に失礼な格言なんですが、なぜ、こんな格言、未だにまかり通っているのでしょう。

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