まず、この定石を考える前に、一間トビ受けのこの定石を知ってください。知ってますよね。
この形、黒は隅を決めずに大きくヒラいてますが、上辺の模様を足早に作る意味の他に、右上隅への三々入りも狙っているのです。8−2の型では、その三々入りを考えてみます。なお、この型は、8−1の型と深い関連がありますので、合わせて読んで下さい。この2つの型は、どちらも本当に大事です。
使用するタイミング | 模様の交点の隅への侵入。隅の荒らしの手段として使われる。 |
定石の分かれ |
黒は、隅を荒らして満足。白は被害を最小限におさえ、先手で他の大場にまわれて満足。 |
【白2のあとで黒R16のハイ】
これは、8−1の型のところで載せても良かったのですが、白2の後、黒がR16と這うとどうなるか見てみましょう。これは、黒の悪手です。
【白4の押さえについて】
ここでも白4について、8−1型の押さえとこの型の押さえの比較をしてみます。
白にヒラキがある場合に有効な上の図の左下隅の定石、初めてなので、説明しておきます。何も難しいことはないんですが、これもよく知っておく必要があります。ちなみに僕は、この定石を初心者の方は、知らない人多いみたいなので、置碁の上手の時、結構使って得してます。(これはどうでもいいことでしたね。(^^ゞ )
この定石と8−1の定石の違いは、見た通り、地はこちらのほうが得です。しかし、次の図を見て下さい。(右上隅図、この定石の最終図、左下隅図、8−1の定石の最終図)
【定石後のヨセの話】
基本図の最終図、S16の地点は、白は、すぐに打ってはいけませんと書きましたが、実は黒も打ってはいけません。それは、大勢に影響ないヨセの手だからです。では、ヨセの段階になった時、ここを白から打った場合と黒から打った場合は、どれほど差があるんでしょうか。
S16の地点の大きさは、よくて11目弱、また、状況によっては、7目弱(6.5目〜7目の間)です。また、必ず先に打ったほうが後手になりますし、他にこの手より大きい手がある時は、先に打ったほうが損をしたことになります。終盤になるまで、これより大きいところなんていっぱいありますよ。
なお、このヨセの大きさについては、以前、悩みカレンダー(2000年11月)の時、研究の掲示板で詳しく検討したんですが、結局、僕は分からずじまいでした。多分、有段者でもないと見ても分かりません。ちなみに、現在の僕もよく分かっていません。(爆)