一間トビ受けに三々入りは、まずなんの条件もなしに入ることはありません。この場合は、カカった石が挟まれた場合のフリカワリの手段です。それから、最初に言っておきます。この定石と6-2の定石を知らない人は絶対、覚えてください。最も使用頻度の高い必須の定石です。
使用するタイミング |
多くは、カカリに一間トビに受けられたところで、そのまま放置。その後、カカった石がはさまれて進退極まりなくなった時。 |
定石の分かれ |
黒実利。白外勢。白の外勢は黒の実利を上回り、部分的には、白良しです。しかし、これは、カカった石を転身するためのものですから、それは仕方がないこと。全局的判断でみなければどちらがいいか分かりません。 |
【白2でR16の押さえ(悪手)】
初心者の囲碁でよく見かけるのが、この押さえ。気持ちは分かりますが、(私も1年ぐらい前、こう打ってた。(^_^;) )これは、いけません。手堅く打ったつもりでしょうが、白の大損です。それにこんな手を打っていては強くなれません。
【白4の押さえについて】
白4の押さえは、この定石の一番のポイントでもあります。手としては、この押さえの他にR16と押さえるのもあります。しかし、この場合の定石は、白4が正解。下の図で、その両方の比較をしてみました。分かりやすいように、カカった石の辺の星下に白石を配置してあります。
上の図でもちろん白がいいのは、右上隅の図。左下隅の図がいいと思った人は感覚がおかしいですよ。よって、この場合は白4の押さえとなるのです。ところが、主に一間トビにヒラキが加わっている場合などは、左下隅の図が正解。(詳しいことは、次の6−2型を見て下さい。)
この押さえをどちらから打つかは全局的な判断によります。白4と押さえた時と、R16と押さえた時、どちらが得か考えて打つ必要があります。
【白8の備えで別法】
基本図白8は、黒1子を完全に制した備えですが、この白8で隅の黒を封鎖していじめる手もあります。この定石と基本図の定石とは一長一短。
上の図で黒5でR17の継ぎ。これは悪手ではないのですが、上の図のほうが黒は勝ります。
黒7でシチョウ有利な場合に、P14のキリもあります。しかし、死活がらみの非常に複雑な変化になりますので強い人以外はやめたほうがいいです。なお、僕も怖くて出来ないし、考えるのも嫌なので(笑)手順だけ紹介します。
黒が黒7を省略、白がP14を継いだ形は、白は、なんの不安もないため隅の黒を殺しにいけます。ただし、死活の力がないと殺せません。ここでは、変化4例を作ってみました。石を置けるようにしてあるので、いろいろ変化を考えて見て下さい。。
左上隅、右上隅 ・・・・ 黒死
左下隅、右下隅 ・・・・ 失敗例(黒生き)