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1. 碁会所潜入成功

7月17日

さて、どうしたものか?前回、決意新たに碁会所に行こうと決心した私でしたが、やはり、行きたいけど、行きにくいといった心の葛藤はまだぬぐいきれず、もんもんとした日々を送る毎日でした。
 ところが、その悩める日々についに終止符を打つ日がやってまいりました。それが、7月17日。前回の決意から2回目の月曜日の出来事でした。

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この日は、月曜ということでお休みだったのですが、午前中に県の青年部の組合の総会がある(理容業は休みがただでさえ少ないというのに、その休みの日によく行事が行われるのです。)ということで、金沢市(石川県の県庁所在地です。)に行って参りました。時間は午前10時より午後2時までの予定。まあ、これはどうでもいいことなんですけど。しかし、そこで、私は約半年ぶりに同業者の友人 Wに会うことが出来ました。

「うわー。久しぶり!どう元気やった?」
「うん。ぼちぼちやね。」
「はは。(^_^) ところでさ。電話でSくんに聞いたんやけど、Wくんもパソコン買ったんやてか。」
「おー。実はそうなんや。」
「へー。Wくんが。インターネットもやっとるの?」
「おお。まだ始めたばっかやけど、ちょっとづつね。」
「へー。(^_^)」
 ホントに久しぶり会った友人だったので、話が盛り上がる中、私はあることを思いついてしまいました。
「あー。そういえば、今日この総会が終わった後、なんか予定ある?」
「いや、別に。」
「(しめた!)それじゃさー。今日、俺どうしても行きたいところがあるんだけど、一人だとすごい行きにくい所でさー。黙って何も言わず今日、俺に付き合ってくんない?頼むわ。」
「うん。いいよ。」
「えっ。ホント、ホント、ホントにー。うれしー。(^○^) じゃあ、じゃあさ、今日、ラーメンでもおごるわ。(^_^)」
「ところでさ、どこ行くんや?」

こうして私は、囲碁の”い”の字も知らない友人Wを碁会所に誘うことに成功しました。(半分、サギだなこれ。でも、いい奴だな、Wって。)とそう思う私でした。

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その後、私達は、組合の総会を終えたあと、昼食をとり、車で一路、碁会所に向かうことと相成りました。

「えっ。碁会所ってここ?」同業者であるWも第1印象は私と同じ。
やはり、”安床”が気になってしまうのだ。
「なんか、いやじゃない?」
「まあね。俺も最初、そう思ったのだけど・・・。そんなことは気にしない。気にしない。そんなことより、碁会所に入ることのほうがねー。」
「ふーん。」
 しかし、Wは、以前、私が第1歩を踏み込むのも苦労した階段をすたすたと登ろうしました。
「ちょっ、ちょっと、待ってくれ!ぜんぜん緊張しないの?もうちょっと心を落ち着けてから。」
「なんで?」
「・・・・・・。」
 なんでと聞かれて私に返す言葉もありません。(もしかして、俺は変なのか?)ともかく、この時は、私が碁会所に誘ったのにもかかわらず、私のほうが引きずられるように碁会所に突入しました。(なんか情けねー。)

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「こんにちはー。」
「はい。いらっしゃい。」
今日はこの間とうって変わって、店長のやさしいお出迎え。
「それじゃ、ここに名前と住所と電話番号を書いてね。」
(そ、そうでしょう。やはり、最初はこうでなくっちゃ。この間は、いったいなんだったの?)
おまけにこの日はあのYさんがいらっしゃっていて、何やら店長と話をしているところだったのです。
「あれっ。Yさん!今日、Yさんがいらっしゃってるとは思ってもみませんでした。」
「ふふ。(^_^) 今日ぐらい君が来るじゃないかと思ってね。」
「へへ。(^_^) 今日なんか一人じゃ来にくいから、囲碁なんか全く知らない友人を連れてきちゃったんですよ。」
「はは。(^_^) それじゃ、1局打ちましょうか?」
「はい。(^_^) お願いします。」

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というわけで、ついに念願の碁会所潜入に成功いたしました。

あっ、それからWさんはその後どうなったって?心配しないで下さい。私の付き添いということで、もちろん席料は無料。Yさんとの1局が終了後、もう1回しようかとも誘われましたが、Wがいるからと断って、

私 「ごめん。退屈だったやろう。」
W 「いや、ここで漫画読んでたから。」
見ると、テーブルの上に”ヒカルの碁”が積み上げてありました。
(悪いことしたなー。Wにでかい借りができちゃった。)
後日、ラーメンをおごったのは言うまでもありません。(それだけかー。)

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