白12と白が左下隅でなく、左上隅をコゲイマで締まったため、黒13では急いで左辺を割り打ちする必要がなくなった。当然、黒も右下隅を締まって対抗する。なお、E3のカカリも大場には間違いないのですが、その瞬間、右下隅に三々入りされるとカカリが甘くなってしまいます。
白18の打ち込みに、黒13のコスミ。やはりM5のケイマもあるところで、白を下辺に封じ込める考え方が根底にあります。なお、この場合、ケイマよりコスミが選ばれたのは、K3のツケを考慮してのこと。
黒31が他のプロではなかなか打てない宇宙流の一手。(アマだとかっこつけてやる人、結構いそうですけど。もちろん、後のことが分からないから打てるんです。(笑))
黒31の意味は、単に模様を広げようというのではない。白34のような消しにくる手を誘って、黒35のツケから黒を強化。そこで消しにきた手を反対に攻めの目標にしようという狙いがあります。
この棋譜は、武宮の作戦がうまくいった形ですね。後半は難しい戦いになりましたが、ここで黒がポイントを取ったことが後々まで響いて、黒の中押しに勝ちに繋がったと思われます。