サガリの型その2、黒5で這いです。
変化は多いのですが、こちらのほうが有力です。ただし、どの変化になっても、黒は、見た目危なっかしい形で生きることになるので、死活に全く自信のない方は、やめたほうがいいです。互先、置碁問わず、実戦でよく出てくるはずなんですが、多分、死活がネックになるせいか、自分のレベルの碁の対局では、あんまり見かけません。(爆)
この型の分かれ |
黒の5手目の這いは、右辺はどうせ攻められるので、上辺を少しでも荒らしてやろうという意図。白は同じく外勢を得て、満足、右辺の攻めに期待。ただ、この這いの場合、黒は、しっかり守れば、後手だが、先手で引き上げることも可能。 |
なお、このページは、死活が気になる図が多いので、全ての棋譜で石を置けるようになっているので、納得いくまで確認してみて下さい。
【黒9でS18のカケツギについて】
これは、這った型で、黒は隅に早生きしようという手です。この手順だけは、その1の型と考え方は同じです。
【白10でR18のキリについて】
これも有力な作戦の一つです。基本図とは違って、上辺は、黒に譲る代わりに白は隅に10目近い地を確保して、はっきりと生きて、次に右辺の黒を攻める意図。もちろん、周りの状況にもよりますが、互先では、白10で基本図のM18の押さえより、このキリのほうが一般的です。よって、実は、こちらの変化図のほうが基本図より大事なのですが、まとめる都合上、これは変化図になりました。(おい。おい。(^_^;) )
なお、白10でR18のキリの場合、その後の変化は多岐にわたります。僕が調べた限りでは、以下の図の2種類の型がその後の定石として紹介されていました。これらの手順は、このまま覚えるというより、一例だと思っていたほうがいいと思います。
《 上辺:パターン1 下辺:パターン2 》
【白12でM17の継ぎについて】
一見すると、どちらでも一緒のように思えますが、その後の右辺の黒の攻めのことを考えると、白12でどう継ぐかは、意味を帯びてきます。
では、M17の継ぎはどういう意味で打たれるのかというと、
もう一度、念のため、言っておきますが、攻めの手順は、僕が考えたものなので、参考にはならないです。(^_^;) ただ、白12での継ぎの意味を説明するのにどうしても必要だったので、僕が適当に考えました。(爆)
最後に一応、まとめておきましょう。
N16の継ぎ |
右辺に対する壁の厚みがしっかりするので、壁の反対側から攻め立てるのに有利。 |
M17の継ぎ |
土台になる上辺の厚みがしっかりするので、ボウシから攻め立てるのに有利。 |
【黒13の省略について】
基本図の黒13の一手は、実は絶対ではありません。というのは、黒13を省略しても、上辺の黒は生きているからです。ですから、右辺の黒も補強したい時は、この一手を省略するのも一計です。ちなみにプロの実戦とかだと、省略する場合のほうが多いらしいです。
ただし、この黒13を省略した上辺の黒は不備があるので、以下のいじめが成立することは覚悟しておかなければなりません。
《 補足 》 白の飛び込みに対して、黒が遮断して抵抗した場合