最初にまず、この三々入りの発生するような場合の図を改めて考えてみます。
この三々入りに対し、白が押さえる型は、消極策。外の黒石への攻めを放棄して、自陣の地を守ろうという考え方からきているに相違ありません。ちなみに強い人は、こういう局面では、絶対、オサエは使いません。ある意味、置碁定石と言えるかも。
ただし、勘違いされると困るのですが、すでに外の黒の一団を攻めるのが不可能な状態ならば、このオサエは、最善の策です。部分だけでなく、全体を見渡す必要があります。
ところで、話は外れますが、荒らしは先手で引き上げることが出来なければ、たいていは、失敗もしくは損ということを知ってますか。この定石は、それがけっこうかかわってきますので、それを頭に入れておいて下さい。
定石の分かれ |
黒は、先手で隅を荒らし、外の一団は安泰。白は、攻めを放棄して損だが、隅の被害を最小限に留めて地を重視。 |
【白3でR16のグズミ】
この手も力強く有力な一手です。本によっては、こちらのほうが白はよいとされています。しかし、こちらにも欠点もありますので、一長一短です。
上の図で白3のグズミのあと、すぐに渡るとするとこんな図になります。
この最終図の長所と短所(右上隅、長所。左下隅、短所。)
補足:
ただし、矛盾してますが、グズミに対してすぐ渡るこの型もありです。これが定石になっている本もありましたので。ただ、この弱点があるということを覚えておきましょう。
【白6でQ15の継ぎ】
これは地がかなり損なのですが、白がどうしても先手を取りたい。しかも、右辺の黒はすでに生きていて、攻められないという条件の時だけ、ある手です。それ以外は、使わないで下さい。部分的には白かなり損なワカレになりますので。
【黒7の抜きで場合の手順】
この定石の最初の想定図よりもっと黒が悪い局面(下図のように黒にヒラキがなくて、しかも挟まれている。)では、有力な手(フリカワリを含みにしたサバキの手段)です。
【オマケ】
ここまで細かく変化を考えてしまったので、ついでに、黒7でR18のサガリは無理と分かる手順まで作りました。