10.その他ある条件下での三々入り >

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 コスミツケコゲイマジマリ

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 今度の型は、かなり実戦で見かける形ですね。でも、この形、三々に入られたら、どうなるか完全に分かっている人はどのくらいいるのだろう。

使用するタイミング

普通は、右辺の黒の二間開きが攻められそうなら、入りにくい。逆に言えば、右辺の黒が安全なら入り時。

定石の分かれ 

これも当然、周りの状況に大きく影響するので、この形だけでは判断できません。三々に入った後、白の外勢が働けば、白、有利。働かなければ、黒、有利。


【白2でQ17のオサエ】

白としては、不本意だが、このオサエも当然ある。基本図よりも双方、無難なワカレとなるが、黒は、右辺の二間ビラキが安全になり、白の狭い隅をさらに値切った感じになるので、見かけ以上に、黒は得をしている。


【白2でR18のグズミ、S16のコスミ】

どちらも中途半端な手。右辺の黒を攻めるわけでもないし、実利を守れるものでもないし。おまけに複雑な変化になる可能性がある。味悪く、いい結果を生むとは思えません。やっぱり、下がりかオサエでしょう。そもそも、本にあまり詳しく書いてないですよね。強い人は、やらないんでしょう。


【白2でS14のハネ】

これは特殊な手。というか変な手。でも、置碁定石の本に載ってたんですよね。僕は、こんな手、打ちたくない。


【白4でQ17の突き出し】

僕も含めて、級位者だと思わず打ってしまいそうな手ですが、これは、ケイマの突き出し悪手の見本という格言があるように、筋悪の手。有段者は、絶対、こんな手打たないと思う。


【白4でO18のオサエ】

これは大変、危険な手。黒がその気になれば、難解な変化に突入する。これで一局が決まるのならともかく、好んで打つ手ではない。


【黒5でQ18のヒキ】

黒が簡明に生きたいと望む時の打ち方。たしかに黒は確実に生きるのだが、やや黒が遠慮している感があり、白に楽な印象を与えそう。でも、この生き方も知っておいて損はないと思う。周りの状況で、この生き方が最善なんてこともありえますから。


黒5でO18のハイ】

面白くない手。白に隅の地を取られてしまいます。


【白6でO18のオサエ】

これは、危険度Cのオサエです。黒に断点を切られ、【白4でO18のオサエ】の図の右上隅と手順は前後するだけで全く同じ図になります。ですから、ここでは省略します。 


【おまけ】

これは、このコーナーにすると番外編ですね。この形、三々に入る前に、ツケを打つという手段がある。この手段、シチョウが黒にいいと面白いことになる可能性がある。これ実は、TAISENの指導碁で、プロがやっているのを見たことがあります。これをされた相手の方は、有段者だというのに、その後、いいようにされてました。