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序論

ツケの基礎知識

ツケという言葉を囲碁用語辞典で調べてみると、『 相手の石に単独で接触していく手 』と書いてあった。この意味が分からない人は、まずいないと思う。また、仮に、もし、意味が分からない人がいたとしても、その人も確実に実戦では、ツケを打っていることでしょう。それほどツケは、 一般的な手であると言える。ところが、このツケ。一般的な手でありつつも、非常に奥が深く、数々の手筋が存在する。となれば、強くなるためには、やっぱり基本手筋くらいは、 知っておきたいですね。
 ここではまず、ツケの基本手筋を知る前に当然、知っておかなければいけないツケの知識をまとめてみました。中級者以上なら誰でも知っていることです。

#1 ツケは全くの単独で打つと、不利になる。

タイトルのところにも書いたようにツケとは相手の石に単独で接触していく手のことですが、通常は、全くの単独(味方の他の石と関連が全くない)でツケるのは、よくない手とされています。これは、結構知っている人は多いと思うのですが、一体、どんな理由でよくない手なんでしょうか。

第1図、第2図は、星の白石に黒が全くの単独でツケを打った例です。

《 第1図 》
図1
《 第2図 》
図2

上の図で見てもらったように、 ツケというのは、接触戦の始まりを意味します。つまり、相手の石にツケれば、特別な理由がなければ、ツケられた相手は、必ず、ツケかハネで応じます。

すると、これが、どういうことを意味するかといえば、全くの単独でツケていった場合、相手が手抜きさえしなければ、石の数が常に相手のほうが上回るため、ツケられたほうが必ず主導権を握る(その後、自分に有利になるように、どう応じるかを選択できる。)ことになります。よって、ツケたほう は、どうしても不利になってしまいます。

とまぁ、以上が正論ですが、「それは分かっているんだけど、実際は、ツケたほうがよくなることも少なくないし、ホントにそうなのか?」と思った人はいませんか? 僕も昔は、そう思ってました。

実際のところ、ツケられたほうが有利になるためには、最低3手の読みが必要だと思います。 読みの確認をしないで応じていては、主導権を放棄してしまっているようなものですからね。相手が同レベルなら、結果は運任せのなりゆきしだいってことも考えられますが、理論的には、1手、そんな手を打てば、相手と互角。2手、そんな手を打てば、逆に相手のほうが有利になってしまいます。

ここで、こんなことを書くつもりなかったんですが、読みの習慣を持ってない人は持てるように努力して下さい。勝手読みでもぜんぜん構いません。それは、そのうち正確になってきますので。何も考えないのが一番よくありません。読みの習慣って、最初、苦痛に感じ ると思います。でも、慣れると、これが大丈夫になるんですよ。不思議とね。

#2 ツケを打つと相手(自分)の石は強くなる。

ツケには、打っていい時と、打ってはいけない時があります。その理由は一つ。ツケには、打つと相手(自分)の石が強くなるという特性があるからです。これは、とても大事なことで、ツケを打つ際は、このことをいつも頭においてないと、すぐに形勢は悪くなってしまいます。ツケの手筋を知ろうとかいう以前の問題です。

《 第3図 》
攻めたい石につけてはいけないことを説明する図

第3図は、「攻めたい石にツケてはいけない。ツケると、相手を強化して逆に相手を助けてしまう。」ということを分かってもらうための例として作成しました。

《 第4図 》
ツケを打つと石が強くなることを説明した図

第4図は、「自分の石が弱い時、相手の石にツケていくのは有効。 」ということを分かってもらうために作成しました。ただし、ツケれば、自分の石だけでなく、相手の石も強くなるので、どの石にツケるかは考慮する必要があります。

#3 ツケの種類

これからツケの手筋をまとめるにあたって、ツケには、いろんなタイプのものがあるので、ここで主なものを紹介しておくことにします。 やる予定なのは、一部だけですが。

《 第5図 》
ツケの紹介図

図5で紹介した以外にも、ツケオサエ、ツケヒキ、ハナヅケ、腹ヅケなど、いろいろなツケがあり、しかも、それぞれに手筋が存在します。 なお、一番よく聞く と思われるコスミツケは、ここでいうツケとは、ちょっと違います。(単独でツケていっていないから。)

では、本編でツケの手筋の勉強をしましょう。

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