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【2】シチョウの基本手筋

シチョウの基本の基本

シチョウ。これは、囲碁を始めた時、誰でも真っ先に覚える石を取る手筋でしょう。入門書とかでも一番最初に出てきます。でも、このコーナーでは、あえて2番目に持ってきました。それは、シチョウはそれ自体は簡単でも、その用い方が、ゲタよりも難しいと思ったからなんです。プロでも、シチョウが原因で中押し負けになることもあるくらいですからね。簡単で難しいそんな手筋がシチョウではないでしょうか。

さて、ここではまず、例のごとくシチョウの基本形と言える形を見て、その特徴を改めて考察してみましょう。

シチョウを説明するための図その1

何の変哲もないただのシチョウですね。では、もう一つ図を見て下さい。

シチョウを説明するための図その2

ゲタの基本の基本のところで書いたことと重複してしまいますが、シチョウの長所としては、次のようなことが挙げられます。

  1. 石の取り方としては、非常に単純。しかも後の変化もほぼ一本道なので、初心者でもすぐに覚えられる手筋と言える。
  2. 常にアタリ、アタリで追いかけて取ることが出来るため、いったんシチョウの筋に入ったら相手は抵抗は出来ない。このことはどういうことかというと、戦いなどにおいて、シチョウで取れる筋が発見出来れば、自分のダメがどうとか考えなくてもその時点で勝ちが決まるということ。

また、短所としては、次のことが挙げられるでしょう。

  1. シチョウ自体は、簡単なんですが、シチョウアタリの見極めは簡単ではない。複雑なものになってくると、たまに、プロの方でも間違えるそうですから。
  2. 石を取るために手数がかかる時ほど、シチョウアタリがあって、失敗に終わった時、後の形が全く終始がつかなくなる。その時点で中押し負けしかないことも充分ありえます。前もって、充分な読みが必要。非常に怖い手筋とも言えるでしょう。

では、次に、その問題のシチョウアタリについて少し考えてみましょう。シチョウアタリを理解するための格言として、こんな格言があります。

これらはどういうことなんでしょうか?六本なのに、四本??? それは次の図を見ていけば理解できます。

シチョウアタリを説明するための図

さて、上の図を見て、何が四間で、何が六間か分かったでしょうか?

シチョウで追った形を見ると、同じ横線方向で、石は4個並んでいます。これが、シチョウを仕留めるには、幅が四間という意味です。しかし、右下の白一子を見て下さい。これは、幅が四間の外側にありますね。ということは、つまり、シチョウが成立するためには、幅自体は、4間だが、その外側も影響するということです。外側は右と左、2つありますから、結局、六間の幅にシチョウアタリの石があれば、シチョウは成立しない、よって、シチョウは六本という格言があるのです。

それから、シチョウを仕留めるには四間という格言から、こんなことも分かります。また、次の2つの図を見て下さい。

シチョウアタリを説明するための図その2

もう一つです。

シチョウアタリを説明するための図その3

この2つの図から次のことが分かります。

まず、右下隅にシチョウアタリになりそうな相手の石があったとしても、そこまでいくまでに、味方の石があれば、相手の石とは関係なく、シチョウが成立する。

ところが、その援軍になる石の場所が問題です。上の2つの図の中央の黒石の場所に注目して下さい。上の図は、シチョウは四間のエリアに存在しますね。この場合は、右下隅に白石があろうとシチョウは成立しました。それに対し、下の図です。この図の中央の石、どうでしょう。六間の場所にありませんか?そうなんです。相手の石は六間の幅にあれば、シチョウアタリの石となるのに対し、自分の石が味方の援軍となってくれるためには、四間の幅になければ役に立たないのです。これは勘違いしやすいところなので気をつけましょう。

しかし、この2つの格言、シチョウの読みを手助けするために作られたようですが、やはり、実際には、ジグサグに追って、はっきり確認したほうが良さそうです。その方が安心ですしね。

以上で、シチョウの基本の基本について終わります。

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