この棋譜の見所は4つ。
左下隅、三々のカタツキ定石で白20の変化は趙さんの趣向。黒に、ここを押さえられるのが嫌だったそうな。
その後、黒29のヒラキが工夫の一手。ホントは黒31の封鎖を先に打ちたいのだが、そうすると、白から29に打たれるのが絶好点。よって、黒29のヒラキを先にうち、白30のツメを待って、黒31と封鎖した。
白32の左上隅のコスミは、趙さんならではの序盤で地を出来るだけ稼ごうという作戦で、アマにはオススメ出来ない手。普通は、E11のケイマが模様の交点とも言える場所でこの一手。実戦では、白が左上隅を締まったので、逆にE12のボウシが打てた。
白50の打ち込み後の黒の対処の仕方は学ぶべき手順。この場合、右上隅より右辺のほうが価値が高いので、白54のノビにO13と継がずに、R11と押さえた。
白68の打ち込みは、趙さんの勝負手。普通はJ13の消しくらいが相場ですが、それじゃ白が足りないとの判断。
しかしまぁ、全盛時の武宮相手に、こんな無謀な打ち込みを成功させることが出来る棋士は趙さんくらいしかいなかったんじゃないかな。