Kさんは、じつは、どれもそれなりにこなしてますよね。
布石も基礎的な理論がわかってるようだし、手筋(+死活)も結構熱心に研究してる。自分の棋譜も、その疑問点を上位者に聞いて自分のモノにしている。つまり上達の王道を歩んでいるわけです。
いろいろ考えた結果、はたとおもいあたることがありました。Kさんの上達を阻んでいる壁です。俗に「初段の壁」といわれているものです。
この壁を超えるためにはいくつかの感覚を身につけなければいけません。収斂して一言で言うならば、「厚みに目覚める」ことです。
たとえば
「捨石」:捨石により、厚みを作る
:カス石と要石とを見分ける
「厚みの活用」:厚みを攻めに活用する
「正しい攻め方」:攻めの効果を最大にする。
基本は「追うは桂馬」と「一間トビの切り方」のマスター
それと、締めつけて絞ること。
(ご参考)厚み関係のほかにはたとえば
「組合せ手筋」「形勢判断」「実戦での2手連打のシミュレーション」
「実戦での隠れたシチョウ読みの訓練」「実戦での長い一本道読み」
「見合論」「手割論」「ヨセの技術」など。思いつくまま・・・余談。
置き碁で、厚みを初期に布陣して、白を堂々と迎え撃つ。あるいは、互先戦で、大風呂敷を広げて入ってきた石を徹底的にいじめる、あるいは相手の風呂敷の中に入って食い破ろうとしてみる。
この繰り返しにより、厚みの威力を肌で感じるようになります。実戦でもまれて無理無茶をやりながら限界を覚えて行くのが現実的です。
Kさんがもし欠けてるとすれば、このあたりなのかなあと思います。1回20級まで落ちるつもりでフリーじゃない方の戦場で大胆に華麗に石を操る練習をすることをお薦めします。その方が結局上達の早道だと思う。真剣に魂を入れる戦いでこそ、上達の糸口がつかめるからです。みてくれはたとえ20級に下げられたとしても、実力は5級以上あるんだから大丈夫です。それに、どんなに無茶しても、そこまで下がらないから大丈夫。
厚みの活用は、結局は理論ではなく感覚の問題なのですが、その感覚を養うためには、「徹底的に仮説を立てては実践してぶち壊す」の繰り返しが必要です。理論を突き詰め、試行錯誤のはてに、やっと感覚が変わります。壁が発するオーラを感じる、とでも言えるかもしれません。それ以後、碁というゲームに対するイメージががらっとかわりました。というかそのさらなる深さを少し実感した、というところでしょうか。それにしても、ルールはシンプルで、ツールもシンプルなのに、どうしてここまでゲームとしての奥が深いのか、なんか、唖然呆然とします。